金継ぎ 第1回目

以前、戦友から伊賀焼を誕生日プレゼントで頂きました。川端康成がノーベル文学賞記念講演『美しい日本の私』において、日本の美を詩で、画で、庭で、焼き物で伝えていきますが、その時に日本の美を象徴する焼き物としてとりあげられているのが古伊賀で、僕が友人から頂いた伊賀焼は、そんな古伊賀の精神を受け継いでる器です。川端康成が古伊賀について言及している所を引用します。

 

『日本の焼ものの花生けのなかで、最も位が高いとし、また価も高い、古伊賀(およそ15、6世紀)は水に濡らして、はじめて目ざめるように、美しい生色を放ちます。伊賀は強い火度で焼きますが、その焚きもの(燃料)の藁灰や煙が降りかかって花瓶の体に着いたり流れたりで、火度のさがるにしたがって、それが釉薬のようになるのです。陶工による人工ではなく、窯のなかの自然のわざですから、窯変と言ってもいいような、さまざまな色模様が生まれます。その伊賀焼の渋くて、粗くて、強い肌が、水気を含むと、艶な照りを見せます。』

 

ということで、相当お気に入りのお茶碗だったのですが、不意に、その器を割ってしまい、滝のごとく冷汗をかき、色々と思考を巡らせたのち、金継ぎで修復すれば良いと結論に至りました。そして、早速ですが、金継ぎを開始し、遂に修復作業を終了させました!!やった!!

 

今回の金継ぎは、本漆を使いました。本漆というのは、昔から使われている漆のことで、手で触ったりなんかしたら、かぶれてしまう厄介者。さらに、漆を乾かすのには室(むろ)に入れて、ある程度の湿気を保たせて1週間程度の時間を置かなければならない頑固者でもあります。昨今では、そんな厄介者で頑固者の本漆など使わずに、新漆という石油系の塗料を活用して、かぶれる心配もせず、乾かす時間も短縮させて、楽に簡単にスピーディに漆を使っていこう、という流れが強いようです。

 

しかし、今回の器の修復に関しては、僕自身の思い入れのある器ですし、ちゃんと時間をかけて、丁寧に治したいという気持ちがあったので、本漆で時間をかけて治すことにしました!!実際、時間をかけただけあって、完成した時の悦びも半端ない!!しかも金継ぎ言うて、鈴で継ぎました。これまた最高!!

 

 

 

 

 

 

(写真が自分の汚い机の上ですいません。)

戦友から頂いた伊賀焼は、金継ぎをしたことで、さらに価値が増したと個人的には感じています。一度割れた茶碗は、修復されることで、その価値がこれまで以上に増幅する。このコンセプト及び考え方は、非常に素晴らしいし、実際にそんな風に実感できました。
最後の小さな青磁は、以前、自分で購入したもので、姪に割られてしまったので、こちらは金で修復しました。金継ぎしましたって感じで、中々お気に入りです。

 

クラフトマンシップって良いですな。

 

シンゴ・クリハラ

Category CERAMIC ART