やっぱりスケーラビリティ2

 

以前、スタートアップ時のスケーラビリティについて考えました。

 

小さく小さくスタートしつつ、その先に大きな事業の発展性を描く。しかし、小さく事業をスタートすれば、やはり事業の拡張性にも自ずと限界はあるわけです。ですから、小さくスタートすることと、事業の発展性を両立させる事は難しい。そんなことを記載しました。

 

ここで、事業の発展性と言っている場合の発展の程度とは何を想定しているのか、と言えば、それは東証一部への上場レベルを想定しています。

 

東証一部への上場基準はいくつかありますが、その中の1番分かりやすいものを取り上げます。

 

それは、最近2年間の利益で、最初の1年が1億円以上で、直近の1年間の利益が4億円以上ということです(利益に関する基準では、これ以外にもう1つあり、そのどちらかを満たしていれば良いということです)。ここで言う利益とは税引き前の利益を指します。

 

税引き前利益ですから、特別損出等を計上しなければ、ほぼ経常利益のことだと考えて構わないと思います。そういうことで、経常利益が上場前の1年間で4億円以上あるか、という点が、まず東証一部IPOを果たすための1つの分かりやすい指標になります。

 

ここで、自分が以前話していた、スタートアップは資源がないから、当初は資源がなくても始められる事業で労働集約的な闘いを展開せざるを得ないと言いました。この労働集約的な事業というのは、大体の場合、代理業であったりします。そして、この代理業・卸業ビジネスというのは、経常利益3%未満であることがほとんどです。

 

なぜなら、そもそもの粗利が10%~20%と固定的で、その粗利の中から人件費及び管理費等を捻出することになるからです。組織規模が大きくなればなるほど、人件費等の固定費は増えていってしまい、ますます利益率を減少させます。

 

さらに代理ビジネスは、参入障壁は低く、極限すれば誰もが始められるビジネスとなるので、価格競争が始まってしまい、最終的には粗利を削ることなります。規模の大きな代理店は、経常利益率が1%を切ってしまう理由は、人件費が膨らむこと・粗利を削ってしまうこと、この2点にあります。

 

仮に、経常利益率が1%を切ってしまっている事業体であるならば、東証一部への上場基準として400億円以上の売上が必要となります。0.5%となれば800億円が必要になり、0.1%なら4000億円を必要とします。こんな風に、利益率が、毎年1%未満である事業体が、東証1部へと上場しようと思うのならば、少なくとも400億円以上の売上高を必要とするわけです。労働集約的な事業体で、最低400億円以上の事業体にしようとする闘いは、非常に苦しいです。

 

それでも、スタートアップは、当初は資源がありません。ですから、スタートアップはハイエナのようになり、大企業たるライオン達が食べ残した餌にもくらいつくような非情さで、自分達のお腹を満たそうとしなければなりません。つまり、代理業であろうが、下請けだろうが、バイトだろうが、とにかく、仲間のお腹を満たしためにハイエナのようになり、自分だけの生態圏を創り続けることに、力を向けなければなりません。

 

それは、創業者自らの動きで、一族郎党のお腹を満たしつつ、とにかく新たな生態圏を創ってもらうように努力してもらうように仕向けるこということです。もちろん、新たな生態圏を創る際には、2年~5年くらい、その生態圏からは餌を収穫できる目途がたちません。ですから、創業者はハイエナとして最低2年~5年は、這いつくばらばければなりません。

 

こういった努力によって、もし、自分達だけの生態圏=プラットフォームもしくはメディアを築くことができれば、利益率50%以上のモデルを描くことだってできます。

 

利益率50%以上のモデルを描くことができれば、IPO基準を満たすためには、売上高8億円以上となります。

 

どちらを目指すか、という2項対立的に考えるものではありませんが、やはりスタートアップは、自分達だけの生態圏を創るために多大な力を差し向けるべきだと思います。そのために、創業者は、自らがハイエナになる覚悟を問われ、そして、その他の従業員には、新たな生態圏を創る方に実務を向けさせなければなりません。創業者は、自身をハイエナにしつつも、その先のビジョンを語れなければ、そもそも問題外である、と言えるのではないか、と強く思います。

 

 

シンゴ・クリハラ

 

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